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まるいうろこ
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プロフィール
そま(ちょまと名乗ることもある)
♀/学生

趣味:読むこと、観ること、聴くこと、書くこと、作ること、等。
ほとんどが下手の横好き。

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 誰にでもそういう時期があるなんて言われたくはない。私だって、よくわかっている。自分がいやになるなんて言葉をわざわざ口に出すのは、自意識過剰のばかだけだ。誰もが、多かれ少なかれ、自分のどこかを嫌っているのだ。

『BAD KIDS』の続編というかサイドストーリーというか、同じ世界の別の人物達の物語です。
都ちゃんも隆之もばっちり出てきます。

なんかこう、私が言葉にした途端に安っぽくなってしまうような人間関係が、書いてありました。

だから、もう一か所だけ引用して終わります。ごめんなさい。

 僕らはもう、いやというほど思い知っていた。犯した罪に対して、ふさわしい罰を与えられずにいるのは、苦しい。そしてまた、正しくその人間を罰することができるのは、正しくその罪を知る者だけだということを。(後略)

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 彼から離れようと一人で決めて、あたしは彼との写真を撮った。わざとカラッポな顔をつくって、素っ裸で彼にからみつきながらレリーズを押した。彼との時間がそこにあったという事実を、形に残しておきたかった。 

カメラマンの北崎との関係を終わらせようと、2人が裸で映った写真を学祭で展示する都。
同級生の男子に欲情する隆之。

北崎に翻弄される都は、けれど何だかカッコいい。
どうしてだろう。自分で色々考えて行動してるからだろうか。
北崎を断ち切って自立しようとしているからだろうか。

ああ……『ヤマアラシのジレンマ』。

うまく感想は書けないけれど、とても印象に残った一作品。


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短編集です。収録作品は以下の通り。

『世界で一番ロマンチックな海』
『ラヴレター』
『男と女と男』
『結婚』
『シャルル・ドゴール空港』
『そのひとの匂い』

計6編

印象に残るものが多い短編集でした。
特に印象に残った『シャルル・ドゴール空港』の感想を残しておきます。

+++

「思い出さないでよ、日本に帰ったら」
「え?」
「私は忘れたいのよ。あなたのことは、今日かぎりで」

異国で出会った男女の別れの物語。
日本に残してきた妻子のもとへ帰っていく男。
潔く別れを受け入れようとする女。

ああもう! というのが読後の感想でした。
ああもう、どうして綺麗に終わらせてくれないの、どうしてそんなことするの、どうしてそうなるの……云々。

この女の人は、強いのに。
男の弱さが女を弱くする。
男は女を弱らせていることに気づかない。
自分が強くなった途端、男は去っていく。

ああもう!

この女の人は男が残した「弱さ」を背負っていかねばならないのだ。
そう思うと涙が出ました。

しかし、しかしです。
小説の世界はこれで完結ですが、もしこれが現実の話なら、現実の世界は縦にも横にも広いので、この女性が男の残した「弱さ」を背負うのと同様に、女性もまた「弱さ」をどこかに置いてくることができて、「強さ」を拾ってくることもできるはず。
と、思いたい。
と、いうようなことを考えました。

色んな事をごちゃごちゃ考えていると、こんなごちゃごちゃ考えてるのは自分くらいだろうと思ってしまいがちですが、実際には皆結構ごちゃごちゃ考えているわけで、そう思うと世の中カオスだなぁ何だか気持ち悪いなぁという気もするし、潜在的なエネルギィが満ちているようにも思われます。

大丈夫、どっかにエネルギィは落ちている。大丈夫……。

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 (前略)あのときのわたしは、たぶん世界で一番幸せな女の子だった。そんなのは安っぽい少女の思い込みだと言われれば、まさしくその通りなのだろう。否定するつもりはない。確かに安っぽい思い込みだろう。少女の幻想に過ぎないだろう。それでも、今もはっきりと思う。あのとき、わたしは世界で一番幸せな女の子だったのだと。

感想を書く順番がかなり前後しますが、読後感ができるだけフレッシュなうちに。

死んでしまった恋人、加地君に毎晩おやすみを言って玄関で眠る奈緒子と、奈緒子の現在の恋人、巧君の視点で、交互に「加地君がいない今」と「加地君がいたあの頃」が語られていきます。
「恋人の不在」が軸になっている物語はいくつか読んだけれど、この物語は例えば『神様のボート』(江國香織著、新潮文庫)とは決定的に違う。「愛されていた記憶」が揺らぐ要素がある。
加地君が死んだとき、バスの隣の席に座っていた女の子。
奈緒子とは全く別のタイプの女の子。

加地君がその女の子と何もなかったにしても、”決定的瞬間”に隣にいたのが自分ではなく別の女の子だというのは、それだけでとてもつらいことだと思うのです。
例えばその女の子にも恋人がいて、加地君とその女の子がお互いの恋人について語り合っていたとしても、そんなことはもはや関係なくて、自分が愛されていたか裏切られていたかなんて関係なくて、”そのとき隣にいたのは別の女の子”という事実だけでもう苦しい。と思うのです。
「愛されていた記憶」が確かにあったとしても。

そんな「加地君との思い出」を抱いて奈緒子はどう生きていくのか。

奈緒子の家出したお父さんとか、妹とか、お母さんとか、あと巧君のお姉さんとか、山崎先輩とか。
色んな人が色んな事を考えて色んな行動をとって、それが他の人の行動にも少しずつ影響を与えていきます。
お父さんがとっても素敵です。
お父さんとお母さん、どっちかが夢を諦めないといけない、っていうのは、まぁよくある話なんだけど難しい。
巧君が考え出した方法が上手くいくといいなぁ。

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――すぎたことはみんな箱のなかに入ってしまうから、絶対になくす心配がないの。すてきでしょう?

昔、葉子は”骨ごと溶けるような恋”をして、その結果草子が生まれた。
草子の父親である「あのひと」は、必ず戻ると約束して去ってしまった。
神様のボートに乗って「あのひと」を待ち続ける葉子――。

あとがきに「これは狂気の物語です」とありますが、その通りだと思いました。
「あのひと」のいない世界に決して馴染もうとしない葉子。
「愛されていた記憶」を持っているからこその態度なのだろうけど、それってそんなに信じていいものなんだろうか。

ちょっと結末に触れた感想を書きたいので、続きは隠しておきます。

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