赤緑黒白／森博嗣／講談社ノベルス

　幸せは奪ってくるもの？
　どこから、奪えばいいのだろう？

Ｖシリーズの10作目、最終巻。
うぅ……遂に読み終えてしまいましたＶシリーズ。
紅子さんはまたちらほら見かけそうですが、練ちゃんと紫子さんの掛け合いはもう見られないのかなー……。
あぁ……淋しくなります。あの二人と紅子さんが大好きだったのに。（保呂草さんは、まぁ……）

本作の感想、いきます。　（←別にガ○ダムを意識しているわけではない）
ミステリとしては良くない……というか、これはミステリではないような気がしました。
トリックというトリックもないですし。
で、Ｖシリーズだけを読んでいたらあまり面白くない終わり方だと思います。
Ｖシリーズだけ読んだ、という方は、次は「四季」シリーズを読みましょう。
あ、でも、「すべてがＦになる」を「四季　秋」を読む前に読んでおくことをオススメします。
（森博嗣作品、私は読む順番がごちゃごちゃなので、頭の中もごちゃごちゃです……）

私はミステリファンではない（と思う）ので、ミステリとしてどうかという議論は控えておきます。というか、できない。
どちらかというとキャラクターノベルとして読んでいた私としては、本作および本シリーズはとても面白い内容でした。

＋＋＋

幸せは奪ってくるものか否か……。
私としては、「四季　秋」（当ブログの該当記事にリンク。別窓開きます）に出てきた喩えの太陽のように、みんなに降り注ぐものだといいなぁなんて思いますが……かなりの理想論ですね。
幸せは寄せては返す波のようだ、とも思います。
キターッと思ったら、いつの間にか過ぎ去っている（というか思いっきり引き潮）のときがあったりなかったり。
又は、幸せって蝶みたいなもん？
追いかけたら逃げてしまうかもしれないけど、待っていたら向こうから来てくれるかもしれない。
閉じこめたら弱って死んでしまうかもしれないし、卵を産んでくれるかもしれない。
眺めるだけで、写真を撮るだけで満足の人もいれば、捕まえてみる人も、標本にして観賞する人もいる。
蝶になる前の幼虫はあまり人気がなくって、サナギは地味。
成虫になると綺麗だけれど、よく見ると結構グロテスクだったり、たくさん群れていると気持ち悪かったりするんです……。（あくまでも私の主観ですが）
というわけで、幸せってこんなもんなんじゃないかなぁなんて、私は現時点ではこんなふうに考えたりしちゃってるわけです。（口調が変ですみません）
私は蝶について色々思うことがあるけど、蝶が私を嫌いになったりすることはない（というか、私なんて認識してるはずがない）、と信じてます。